人気はウイスキー・焼酎・梅酒の炭酸割り

 ハイボール人気で、他のお酒も炭酸で割ることがブーム化しそうな予感を持っており、今回のテーマはお酒の炭酸割りとした。「お酒(ジャンルは問わず)を炭酸で割って飲むことは好きですか」の質問に対しては「YES」が七九%と圧倒的であった(図表1)。
 そこで「あなたがよく炭酸で割るベースの酒を教えてください」と聞いたところ、全体では「ウイスキー」が六五%で断トツ。次点は「焼酎」三八%で、三位は何と「梅酒」三三%。以下「ジン・ラム・テキーラなどの蒸溜酒」二二%、「バーボン」一八%であり、醸造酒はいずれも一割以下であった。やはり、割って飲むという習慣は、まだ蒸溜酒やリキュールに限られるようだ。
 性別で見ると、「ウイスキー」、「焼酎」は男性のほうが女性より高いが、「梅酒」になると女性が五割超で、男性の倍以上の支持を集める(図表2)。
 年代別では、「ウイスキー」が五〇代以上の高年齢層で七割以上と高くなっているのが特徴的である。二〇代では「ウイスキー」、「焼酎」、「梅酒」がほぼ同数で六割に近い。また「梅酒」、「ジン・ラム・テキーラなどの蒸溜酒」は三〇代が牽引しているようで、若年層ほど高い傾向を見せている(図表3)。

炭酸割り さらに引き立てる柑橘類

 お気に入りの炭酸で割ったお酒のつくり方、味わいなどについて自由記述してもらったところ、回答を寄せてくれた人の半数近くがウイスキーベースの酒についてであった。焼酎、梅酒はそれぞれ一割強である。図表4はベースの酒が何であれ、書かれた内容のキイワードをカウントしたものだが、ここではウイスキー、焼酎、梅酒をベースにしたお酒のタイプ別に、つくり方や評価の主な意見を紹介する。
 ウイスキーでは「ハイボール」がもっとも多い。「ジャパニーズウイスキーとはちみつを使った銀座ハイボールが好きです。ほんのり甘くて、響一二年とトニックウォーターを使った軽い味わいのものは一杯目によくいただきます」(女性三〇代)、「定番ハイボール。トリスなど国産で甘さが感じるものがおいしいです。昔の人がこういう味を楽しんでいたのかな? とノスタルジックさが楽しいです。肴には、トーストがあいました」(男性三〇代)、「やはりウイスキーのソーダ割りがおいしいです。特にスコッチでスモーキーなフレーバーのウイスキーでつくるハイボールが好きです」(男性三〇代)、「仕事から帰ってきて、とるものもとりあえずまず一杯、のハイボールが一番おいしいです。以前サントリー山崎の二一年か何かでつくって飲んだときは、昇天しました。いろんなウイスキーで試してみたいです」(女性五〇代)、「ハイボールにはレモンを二〜三滴。そしてマドラーで優しく二〜三回混ぜて飲む。これが昔からのカクテルとしてのハイボールだと思っている」(男性五〇代)、「サントリーウイスキー・トリス『エクストラ』を炭酸で割り氷、レモン汁をいれてハイボールにして飲んでいます」(男性六〇代以上)などである。また、「ウイスキーを炭酸で割り、レモンピールを少々振ります。ほのかなレモンの風味がグッドです」(男性四〇代)など、ハイボールにはレモンが欠かせないことも語られている。味のある割り材の使用については、「飲みきれなかったコーラやサイダーなどで割って飲むのも少し甘くなって飲みやすくおいしいです」(女性四〇代)、「ウイスキーやブランデーをジンジャエールで割り、レモンスライスを入れて飲むのも好きです」(男性五〇代)など、懐かしさを感じるコークハイも健在である。

日本酒やワインもレシピ開発で可能性は十分

 焼酎は「レモンなど柑橘類を絞って入れる」や、コーラ・ジンジャエールなどで割って飲まれることが支持されている。「甲類の焼酎を買ったときは五:五ぐらいで炭酸を入れ、ゆず、スダチ、レモンなどの柑橘類をジャーっと搾って飲みます」(女性四〇代)、「焼酎+カルピスソーダはまろやか」(女性三〇代)、「焼酎をジンジャエールで割ると味わい深くなり気に入っている」(男性五〇代)「アップルサイダー+焼酎も中々いけます」(女性五〇代)。
 梅酒は「自家製の梅酒を炭酸で割るのがとても好きです。甘みのあるお酒には炭酸水、甘みのないお酒にはキリンレモン等で割って飲むのがいいです。爽快感とお酒独特のにおい等がうまく抜けるような気がします」(女性三〇代)、「自家製の梅酒四:炭酸六で眠る前の楽しみにしています。週に一から二日、本当においしくてよく眠れます」(女性四〇代)、「自家製の梅酒や梅サワーを炭酸と氷で割る。レモン液やハチミツを足す場合もあり。スッキリ、サッパリ、疲れが取れる気がする」(男性五〇代)など、自家製梅酒や、飲みやすさ、すっきり・爽快感がポイントになっている。
 「将来、炭酸割りで試したいと思うお酒があれば教えてください」に対しては、「友人が白ワインを炭酸で割るとおいしいというので、試してみたいと思っています」(女性三〇代)、「日本酒×炭酸割りを試してみたいです。最近、スパークリング日本酒というのも見かけるようになりましたが、自分で割るとどんな感じになるのでしょうか。搾りたての生酒で試したら、フレッシュなおいしさを楽しめるような気がします」(女性三〇代)、「マッコリやどぶろくなどの、ドロッとしたお酒」(女性四〇代)、「カルーアなど濃厚なリキュール」(男性四〇代)、「老酒などの中国酒」(男性六〇代以上)などがあげられており、好奇心旺盛でお酒の楽しみ方を広げていることがうかがえる。■

2011年01月実施