若者には好評価のクールスタイル

 日本酒クールスタイルをご存知であろうか? 日本酒造組合中央会が打ち出した、夏場に日本酒+氷+炭酸で割って飲むという提案。日本酒の伝統を重んじつつ、気軽に自由に楽しく飲めるように、若い世代や女性など現在の日本酒ユーザー以外への拡大を意図している。そこで今回は日本酒クールスタイルがどの程度受け入れられるかをテーマにした。
 「今までに日本酒を炭酸で割って飲んだことがありますか」という問いに対して、「YES(何回も試したことあり)」が10%、「YES(多分やったことがあると思う)」12%で回答者の飲用経験率は約2割。男女差はみられないが、年代別では20代が3割で、他年代に比べ高くなっている(図表1)。
 次に日本酒の炭酸割りについて、自由に感想や考え方などを回答してもらった。その内容が肯定的なのか否定的なのかを分類してみると、炭酸割りが受け入れられるとした肯定派が57%で半数を超えた。逆に、受け入れられない、考えられないとした否定派は36%であった。男性より女性のほうが肯定的で、7割近くが関心を示している。年代別ではやはり若い層ほど肯定的で、20〜30代は7割を超える。日本酒の新しい飲み方に若年層は好意的であり、当然ながら高年齢層になるほど否定派が増え、60代以上では否定派が6割に達する(図表2)。
 また日本酒の炭酸割りの飲用経験者では8割が肯定的であるのは、飲んでみたら結構いけるという実証になっている。女性・若年層が好意的にとらえているということもあるので、どこまで浸透させるかがかぎであろう。
 肯定的な意見でもっとも多いのは「試しに飲んでみたい」で、「飲みやすい」「新しい飲み方」「おいしいと思う」「夏にあっている」が続く。
【肯定的な人の意見】
試しに飲んでみたい
「酒の楽しみ方が増えてとても良いと思います。ぜひ試してみたいです」(男性20代)
「炭酸割りに合う日本酒や割り方などを教えてもらえたら、試してみたいと思います」(女性30代)
飲みやすい
「ごくごく飲みたい時は、炭酸やジュースで割って飲みます。友達とわいわい話しながら飲むときも、カクテル風にしたりしてます」(女性20代)
「自分がいつも飲むのはにごり酒+三ツ矢サイダーゼロの炭酸割りです。にごり酒のまろやかさと甘味が残りつつ、アルコールも低めになり、缶チューハイとは違うやさしい喉越しです」(男性30代)
新しい飲み方
「お店で勧められてやったことがあります。微発泡のものでは物足りない時や、既存のカクテルより手軽で、和食にあわせやすい」(男性30代)
「ツマミにあわせていたお酒が、炭酸割りにすることでツマミがいらなくなった」(女性40代)
「お酒に強い方ばかりではないので、よい提案だと思います。あう日本酒のタイプ、おいしい割合などが知りたい」(女性40代)
おいしいと思う
「夏、冷たく冷やした日本酒を炭酸で割ったら、絶対おいしいと思います。日本酒に合うおつまみ等、肴の幅も広がりそうな気がします」(女性30代)
「冷酒は大好きなのでよくいただきますが、それにシュワシュワ感が組み合わさって素敵」(女性30代)
【否定的な人の意見】
本来の飲み方を護りたい
「日本酒の炭酸割りは日本酒本来の風味が失われて邪道だと思います」(男性60代以上)
「普段飲んでいるような紙パックの安酒ならば炭酸もありと思います。しかしながら、自分的には今のまま、夏は冷やして、冬は熱燗で飲めばいいだけです」(男性40代)
おいしいと思わない
「日本酒のうまさが半減されるうえ、スッキリ感は今ひとつ。市販の日本酒ハイボールを飲んでも同様」(女性30代)
「あり得ない。アルコール分が薄まるだけでなく、味も変わってしまいそうです」(男性40代)
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夏の日本酒お気に入りの飲み方
 最後に夏場のお気に入りの日本酒の飲み方を聞いたところ、「冷やす」が約半数おり、「冷酒」「ロックで飲む」が上位になっている。具体的な意見は次のとおり。
「ワインのようにボールに氷を入れて、ガラスの銚子に日本酒を入れたものをそこで冷やしながら飲む。見た目に涼しく、ひんやりとした喉越しになり好きです」(女性40代)
「井戸できりっと冷やしたお酒を竹筒に入れて飲む姿が気に入っています」(男性40代)
「ウォッカのように酒を半冷凍して、冷凍したグラスに注いで飲む」(男性50代)
「夏場では、冷酒をシャーベットにして、さっぱりいただくのが好きです」(女性30代)
「暑い夏には、日本酒の生原酒をロックにして飲むのが好きです。ちょっと大き目のグラスに氷を浮かべて飲むと、キリッと爽やかな日本酒のおいしさが味わえます」(女性30代)

2011年06月実施