知らない商品を試してみようと思わせるためには、宣伝広告は欠かせない。話題のタレントがおいしそうに飲んでいると確かに自分も飲みたい気がしてくる。しかし、大規模な宣伝がおこなわれているのはごく一部の商品に過ぎない。
お酒の新製品などの情報を飲み手はどのようにして得ているのであろうか? 今回は、お酒情報の入手経路などを取りあげた。
「あなたはお酒の新製品や飲んだことのない銘柄を飲みたいほうですか」と聞いたところ、「YES」が九五%に達した(図表1)。回答者は、みなさん酒についての情報に敏感な人たちと言ってもよいだろう。
お酒の新製品や飲んだことのない酒類についての情報を得る主な手段では、「酒売り場の店頭や飲食店でのお奨め」が六六%でトップ。以下は「マスメディアの広告や記事」(四八%)で、「自発的に調べたり、旅行したりして情報を得て」(三〇%)、「友人・知人などからの口コミ」(三〇%)が続く(図表2)。
「酒売り場の店頭や飲食店でのお奨め」は二〇代では七割に達しており、飲酒キャリアの短い彼らにとって、飲食店などの現場での推奨や売場で実際に商品を目にすることは、効果的なルートになっている。
「マスメディアの広告や記事」は二〇代が五七%でもっとも高いが、六〇歳以上でも五五%と高く、高年齢層への広告宣伝の影響力も侮れない。
二〇〜三〇代の若年層は「友人・知人などからの口コミ」も約四割で、他年代に比べ高い。
「自発的に調べたり、旅行したりして情報を得て」は二〇〜四〇代が三割強。
これをもっとも興味を持っている酒類別に傾向をみる。ビールを選んだ人の場合には、「酒売場の店頭や飲食店でのお奨め」「自発的に調べたり、旅行したりして情報を得て」の比率が大幅に少なくなり、他の情報源の比率は他と変わらない。ワインを選んだ人の場合には、「マスメディアの広告や記事」が高くなっているのが特徴といえる。日本酒を選んだ人の場合には、「自発的に調べたり、旅行したりして情報を得て」が高くなり、日本酒ファンはいろいろなルートから商品情報を得ている姿がわかる(図表3)。
入賞実績は飲み手を惹きつける
さて、弊社でも実施しているが、お酒のコンテストは、飲み手にどのように受け止められているのだろうか。「コンテストなどで入賞したお酒を飲みたいと思いますか」と率直に聞いてみたところ、「YES」が九二%で圧倒的に高い。女性は九六%で男性(九〇%)より高く、年代別では四〇代と六〇歳以上が九五〜九六%ともっとも高い。また、頻度が高いほど飲用意向が高い傾向を示している(図表4)。
次に「コンテストで賞をとったお酒を飲みたいと思う理由を教えてください」と自由に記述してもらった。意見を大別すると、入賞したお酒なら「おいしいと思う」が半数近い。専門家の評価を一応は受け入れようと考えているのだろう。次に多いのは、評価されたお酒がどのような味なのか「試してみたい。体験したい」が四割弱。自分の好みと入賞商品との比較もしたいという意見が目立つ。残りは「入賞した酒に興味がある。好奇心を持った」である。では具体的な意見を紹介しよう。
おいしいと思う
「賞をとっているからには、確実においしいと思うから」(女性二〇代)
「多くのお酒を飲んできた専門家がおいしいというのであればおいしいと思うから」(男性三〇代)
「第三者の評価があるということで味に外れが無いと思うから」(男性四〇代)
「多くの人がおいしいと思うものは一度は味わってみたいし、普段飲んでいるお酒と比べてみたいですね」(女性五〇代)
試してみたい。体験したい
「いつも買うお酒との違いを味わいたいです。自分好みのバリエーションが、広がるかも知れないから、飲んでみたいです」(女性三〇代)
「コンテストで選ぶ方々の視点や味覚の好みと、自分の好みがどれくらい似ているか、または違うのかを試してみたいから」(女性三〇代)
「評価を受けたお酒にはそれだけの個性や思いが強いと思います。プロの方が納得するお酒はやはり魅力があると思うので、どれも試してみたいと思います」(女性四〇代)
「新しい出会いを楽しみたい」(男性五〇代)
「初めて飲むお酒を選ぶ時には、賞を取ったお酒というのも選ぶポイントになります。でも飲んでみないと自分も好きなお酒かわからない」(女性五〇代)
「自分の味覚が、世間一般の認めるものにどのように反応するかを確かめたい」(男性六〇歳以上)
興味がある。好奇心を持った
「どのくらいおいしいのか単純に興味があるからです。そして自分の感じた意見を一緒に飲んでいる人と語りあいたいと思いました」(女性三〇代)
「そのような賞を与えるコンテストの内容や審査そのものに強い興味があります。何故この酒に、このような賞を与えたのか? その理由や意味などを想像しながら飲むのが楽しいからです」(男性五〇代)
「どういう酒が賞をとったのかという好奇心が第一で、次に知らない酒を飲みたいということがあります」(男性六〇歳以上) ■
