■日本のウイスキーはここから始まった
10年ほど前からISC(インターナショナル スピリッツ チャレンジ)など、ウイスキーの国際コンクールで毎年たくさんの商品が入賞するようになって、日本のウイスキーは世界中のウイスキー愛好家の注目を集めるようになりました。
今年は日本でウイスキーづくりが始まってちょうど90年の節目の年です。1923年(大正12年)に寿屋(現サントリー)の鳥井信治郎氏が京都郊外の「山崎」の地で、「サントリー山崎蒸溜所」の建設に着手して以来、舶来ものに負けないウイスキーをつくろうと創意工夫を積み重ね、昨年には2度目となる「ディスティラー オブ ザ イヤー」を受賞、名実ともに世界の頂点に立ったのでした。
サントリー山崎蒸溜所を訪ねると、今日までの道程をつぶさに見ることができます。ゲストハウスの山崎ウイスキー館の1階には、懐かしいテレビコマーシャルや創業当時からの古いボトルが並び、サントリーウイスキーの歩みがわかりやすく展示されています。
工場ガイドツアーが始まったら、工場に入る前の庭に鳥井信治郎像と並んで置かれたポットスチルに注目してください。これこそ竣工当初のウイスキー蒸溜釜です。
見学は製造工程にそって進みます。ガイドの丁寧な説明を聞きながら、木桶の発酵槽のぬくもりに触れ、蒸溜中のポットスチルが発する熱気を肌で感じ、熟成庫で静かに眠る貯蔵樽の息づかいに耳を澄ましてください。
こうしてウイスキーづくりを全身で体感したあとで味わうウイスキーは格別です。まずは『山崎』をゆっくりと試飲しましょう。テイスティングカウンターで、希少なモルト原酒や珍しいウイスキーを試すこともできます(有料)。
山崎蒸溜所ではさまざまなウイスキーセミナーが用意されているのも魅力です。これからウイスキーを知りたいと思っていらっしゃる方向けの「It’s Whisky Time」や、ブレンダーやつくり手が映像を通じて講師になるいくつかの上級者向けのコースがあります。どんなセミナーがおこなわれているのか、ホームページで確認してお出かけください。
【サントリー山崎蒸溜所】
アクセス:JR山崎駅、阪急大山崎駅から徒歩10分
http://suntory.jp/YAMAZAKI_D/ |