■都心のワイナリー付食堂 フジマル醸造所
大阪を代表する繁華街の心斎橋から歩いて10分強の場所にワイナリーがあります。ビルの1階が醸造所で、2階はワイン食堂です。ワインショップを経営していたオーナーが念願のワインづくりに乗り出すにあたり、考えた末に出した結論は、「お客様が訪ねやすいワイナリー」でした。ふつうワイナリーはブドウ畑の傍に醸造所を構えます。ワインは農作物ですから、収穫されたブドウをすぐに仕込めるよう、畑に隣接していることがベストだからです。とはいうものの収穫や運搬の仕方に工夫を凝らしさえすれば、1〜2時間の移動でブドウが劣化することはありません。ならば郊外でブドウをつくり都心に運んで醸造して、お客様が気軽に訪ねられるワイナリーにしよう。これがフジマル醸造所が出した結論でした。
お邪魔すると平日というのにワイン食堂は予約で一杯です。予約のお客様がいらっしゃるまでの30分の約束でワインをいただくことにしました。自社栽培のブドウでつくったワインは、まだデラウェア種をシュールリー製法でつくった1種類だけ、他は同業者からブドウを分けてもらって仕込んだワインです。自社製造のワインがグラスで380円〜480円と格安なのは、瓶詰をしていないからだそう。ワインの貯酒タンクから必要な分を汲みだして提供しているので、瓶代やラベル代もかからず瓶詰作業そのものも省けるので、コストがぐっと下がります。
食堂からはワイナリーの醸造設備を常に見ることができますが、醸造するのはブドウが収穫できる4か月間だけです。一年の2/3は遊んでいるスペースなのですが、家賃はしっかりかかります。某スタッフは、「家賃を稼ぎ出すために食堂をやってるようなものです」と苦笑いしていました。料理もワインも楽しくおいしいお店です。
フジマル醸造所ワイン食堂
大阪市中央区島之内1-1-14三和ビル TEL06-4704-6666
http://www.osaka-winery.com/
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