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■赤酒とウイスキーのコラボ 熊本ハイボール
熊本特産の赤酒をご存じだろうか。味醂を思わせる甘口の濃厚な酒で、今は高級料亭などで料理用によく使われている。江戸期まで温暖な熊本では清酒づくりは非常にリスキーだった。雑菌が繁殖してきれいな酒にならなかったり、時には腐敗してしまうこともあったりした。安全に酒をつくるために、発酵途中の醪に木の灰を加えてアルカリ性にして酒をつくる技法が開発されるのだが、こうして生まれたのが赤酒である。 この赤酒とウイスキーをつかったハイボールが熊本ハイボールだ。熊本市内にはオーセンティックなバーが多数あり、そのなかの26店の有志が集まって熊本バーソサエティを組織している。熊本ハイボールのレシピ開発にはこのソサエティが全面的に協力したそうで、伝統の赤酒と充実したバー文化があればこそ生まれた作品である。ちなみにレシピは、赤酒1.5、ウイスキー1、ソーダ2.5。好みでライムを添えるというもの。
最初に訪ねたのはスターズバー。髭のマスターと女性バーテンダーがカウンターに立つ本格的なバーで、カウンター10席とテーブル席がある。熊本ハイボールをお願いすると、「うちのはレシピより赤酒を抑えてドライに仕上げます」と。ウイスキーはシェリー樽の甘い香りがこのカクテルに合うというサントリー山崎12年で、レモンは入れない。どんな味かとためしてみると山崎がマイルドになった感じで、ウイスキーを飲みなれない人でも無理なく楽しめそう。かといって元の山崎の味わいは崩れておらず見事であった。


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スターズバー
熊本市新市街1-11サンホワイトビル2F
096-352-8085
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2件目はバーサンテ。店はスターズバーのある銀杏南通りと並行して伸びる栄通りにあり、歩いて3分ほど。マスターの藤木敏之さんは熊本バーソサエティの代表を務めているそうだ。熊本ハイボールをオーダーするとこちらはベースにサントリー白州12年を使う。スモーキーでクリーンな味わいの白州と、甘みの強い赤酒が組み合わさるとどんな味になるのかワクワクしながら出来上がりを待つ。
よく冷えた白州のボトルにはみるみる霜がついてきて、飲みたい気分がどんどんが増してくる。白州のスモーキーな香りが立つハイボールは、赤酒の甘みで角がとれ、ボディが増して山崎ベースとは違った味わい。軽いレモンも白州のすっきりした味わいを立たせている。この組み合わせはなかなかだ。

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バーサンテ
熊本市下通1-11-28 東会館1F
096-354-1223
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そして3件目に訪ねたのは熊本ハイボールのレシピを開発したという隅田耕一郎さんのバーレンテ。地下に降りていくと広がっていたのはカジュアルな雰囲気のバー。カクテルはもちろんのことシェリーにもこだわりが強いそうで、毎年スペインまで行って現地の情報を集めてくるとか。熊本ハイボールを注文すると、「ベースのウイスキーは何にしますか」と聞かれたので、指定しないときは何でつくるのかと聞き返すと、角瓶でつくるとの答え。そのまま角瓶でつくってもらうことにする。
個性が強く重厚な山崎や白州ベースの熊本ハイボールとは違って、マイルドでバランスが良い角瓶ベースは、丸くマイルドで飲みやすい。レモンが絞ってあるので、甘みがあるのにすっきりとまとまっている。ベースのウイスキーを変えるだけで表情が様々に変わる熊本ハイボール。これからの広がりが期待できそうだ。

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バーレンテ
熊本市安政町5-7地階
096-223-6078
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